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大事なニャンコ先生の鉛筆が折れちゃったんですとはとても言えない。 かと言って、この鉛筆はもう使い物にならない。 予備の鉛筆は、用意していなかった。 いつもならニャンコ先生一本あれば大丈夫なのに……。 何だか急に泣きたくなった。 『俺、もう駄目かもしれない』 涙目で、そう思った時。 横からスッと鉛筆を渡された。 「えっ……?」 渡してくる人物は、こちらを見ずに俺の方に腕だけを伸ばし鉛筆を届けようとしている。 「早く取って。試験官に見付かるから」 そう小声で呟かれ、俺は慌てて渡された鉛筆を受け取った。 よく見ると、可愛い女の子のキャラクターが付いている。 その女の子の横には吹き出しがあって、そこには『諦めちゃだめだよ!』と書かれてあった。 まるで今の俺に向けた言葉の様で。 本当に嬉しくて、やる気が出た。  
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