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優しい風が頬を拭い、髪が微かにたなびく
踏み締める足はそこにある柔らかな草の感触を伝えて来る
見渡す限り一面の草原って、…行きなりお家につくんじゃなかったのー!
途方に暮れ立ち尽くしていると、遠くの方から何が凄い勢いで近づいて来る
ただならぬ気配に踵を返し逃げようかと思ったが、何か自分の名前を呼んだ気がして思わず耳を澄ます
「ツボミ様ー、どこですかー、ツボミ姫ー」
敬称はこの際置いとくとして、どうやら私を探してくれているらしい
迎えの人かとほっと息をつと大きく手を振ってみる
「おーい、ここでーす」
それに気が付いたのか、次第に黒い影が形になって行く
どうやら、馬に乗っているようだ
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