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イケメンはずるい、きっと女の子をうんと言わす手段をいくつも持っているに違いない
少し憎らしくなってそっぽを向くと、優しく髪を撫でて来る
「ダメかな?ツボミ」
本当にずるい…
「それでいい…」
膨れながら見上げると、嬉しそうに微笑む
風に揺れるさらさらのダークブラウンの髪
すっきりと通った鼻筋とシャープな顎のライン
少し意地悪く結ばれた口元と落ち着いた大人の雰囲気
鍛えられた胸板とごつごつとした長い指
ぼーっと見惚れながら、この人を好きになったら大変そうだなーと人事の様に考える
「そんなに見られると穴が空きそうだよ」
「なっ…」
文句を言いたかったが、全てを見透かした様な視線に言葉が出ない
「俺に見惚れたかい?」
「観察してただけ…」
結局見ていた事を認めた様なものだが、他に気のきいた言い訳も思い付かず、ただ俯いてしがみついていた脇腹を抓る
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