ディーン・ノーティス

3/6
前へ
/179ページ
次へ
話かけると最初は緊張した面持ちで応えていたが、彼女のディーン様という呼びかけに壁の様な物を感じ敬語と共に辞めさせると、少しくつろいできたのか、かわいい反応を見せてくれる 「ツボミ」と呼ぶと照れた様に目を臥せる 髪に口付けると濡れたように瞳が潤んで、もっと虐めてみたいと心が騒ぐ 彼女といると俺はただの馬鹿な男に成り下がる 少年時代ですらこんな衝動を感じた事はなかったと言うのに… 彼女の視線を感じ、冗談を交えてそうであってほしいと言う願望を口にしてみると 「観察してただけ…」 何て言って下を向く 本当に見惚れていてくれんだと年がいもなく舞い上がっしまった 抓られて我にかえると、少し性急過ぎたか、いたたまれなそうな彼女に失敗したと感じ、急いで取り繕ってみる だが、そっと髪を撫でてみると、彼女の気持ちは最早景色に奪われているようだった 「もうすぐ着きますよ」
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加