寝耳に水

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それはちょうど夏休み1週間前の事 「つぼみ~、ちょっと、リビングに下りてきてー」 階段の下から母の呼ぶ声がする 「はーい、わかったー」 買い物でも頼むつもりだろうかと思いながらリビングに入ると、何故か両親が揃ってソファーに座っている 「そこに座りなさい、蕾」 真剣な面持ちの二人に何か怒られる様なことやったかなと首を傾げる 「蕾、今から話す事を真面目に聞いてほしい」 そんな顔して何を今更とツッコミたくなる程の表情に圧倒されながら、小さく頷く 「お父さんとお母さんは駆け落ちだったって言ったの覚えているかい?」 「うん…」 知ってはいるが深く聞かれたくなさそうな二人に、詳しく突っ込んだ事はない どうやら何か怒られる訳ではなさそうだ 「僕達はね、この世界とは違うとこから来たんだ」 …はい? 「この地球にはない、アストールと言う国からやって来たんだ」 …私達、宇宙人?  思わずカレンダーを確かめる 「エイプリルフールじゃないわよ、つぼみ」 私の意図を察したのか、母が苦笑いしながら窘める いや、本気じゃないけどそうでもしないとどうしたらいいのか解らなくなりそうで 「真剣に聞く様に行ったよ、蕾」 父も困った様にこちらを見つめている とは言えそんな話真剣に受け止められるほうがむしろおかしい
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