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「蕾…、信じられないのも無理はないが、落ち着いて聞いてくれないか」
視線をそらし俯くと、父は立ち上がり、がさがさと戸棚をあさり始めた
確かあそこは鍵が掛かっていたはず、中に何が入っているか聞いても教えて貰えなかった事を思い出す
父が取り出したのは透明なケースに入れられた小さな水晶のような球体
「私達はね、魔法の力でこの世界に来たんだ、見たほうが早いだろう…」
父は小さな水晶をケースから取り出すと何か呟いた
「はっ?な、何これ」
見るとそこには半透明の立体映像が浮き上がっている
そこに浮かんだのは父を大分老けさせた感じの男性、しかも動いている
3D映像が世を賑あわせているとは言え、それらが到底これには足元にも及ばないものであることが一目で解る程の凄さだ
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