幼い日の母の苦悩

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ある日、私達姉妹を保育園へと預けた母が、仕事へ出掛けて行った。 母のお昼休みに、突然、保育園から、私が行方不明だ!!と電話が掛かって来る。 園長の話では、私はいつも他の園児には交ざらず、黙々と一人遊びに没頭しているため、お遊戯の時も、一人遊びを続行させていたらしい。しかし、食い意地が張っていたため、お昼ご飯の時間には、几帳面に手足を洗い、必ず席に着いているはずなのに、一向に現れない。とのことだった。 母は、大事な娘が居なくなったと、仕事をそっちのけで、近隣住民の協力を得て探した。 母は生きた心地がしなかったらしい。 小さな田舎町が、私の行方不明で騒がしくなってきた。
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