勇者に当選しました

とりあえず旅立ってみる

大臣
「……では、私はこれで失礼します」

そう言って恭しく一礼すると、某波平ヘッドの大臣さんは、馬車に乗って去っていった。

……あれ？ 名前なんだっけ？

アスネ
「でも……、あたしが勇者かぁ……」

最近、あの『あいつニコ厨なんじゃね？』と言われ、一度も魔王らしい事をしたことのない魔王が、なんと世界征服を始めたらしい。

あたしの住んでいる村はど田舎だからイマイチ実感がないけど、魔界に近い町や村ではそれなりに被害が出てるっぽい。

……え？ 完全に他人事ですが何か？

ああ、でももうそんなこと言ってられないのか。なんたってあたしは勇者なんだから！ 魔王を倒すことがあたしの使命なんだ!!

そんな風にあたしが燃えていると、大臣の……、ええと……名前なんだっけ？ なんか無駄に偉そうに名乗ってたのに……。あー、あの人禿げてたし、もうバーコードでいっか。

バーコードさんが説明している間ずっと黙っていたジュンちゃんが口を開いた。