プロローグ

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次に五十嵐の前に現れたのは五十嵐を担当した弁護士だった。 「すいません。あなたを無罪にできなくて」 「仕方ありませんよ。長い時間をかけて、洗練された手口なんですから」 五十嵐は諦めきった表情をしていた。 「たしかにあのカメラがあなたの元にあったせいで、カメラ撮影をさせられていたあなたにしか罪は科せられない。最低の手口です。あなたもあの子も二人ともが被害者ですよ」 「たぶん、あの子はもう元には戻らない」 五十嵐が自分に言い聞かせるように小さくこぼした。
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