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『光。この廊下の拭き掃除が終わったら、夕餉の支度まではいいですよ。』
何をいいとまでははっきりゆわれたわけではないが、光にはそれだけで十分にわかる。
光は着物の柄の桜のような満面の笑みで
『はい!』
と元気よく答えた。
ふではその様子に半ば呆れたように障子をパタンとしめ、また部屋へ戻っていった。
『よーぅっし!さっさかおわらせちゃお!』
腕をまくしあげ、光はさっきまで寒がっていたことなど忘れたように手際よく足をとめず長い廊下をふきだした。
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