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09：35 体育館
いきなり校内放送で全校生徒が体育館に集められたと思ったら…
伊藤 明規(ｲﾄｳ ｱｷﾉﾘ)は奥歯を噛み締めていた
「これって何かのイベントか？」
隣の奴から話かけられても特に反応する事はなく
無視する………
能天気な奴だな
見れば分かるだろ
明らかにステージに立っている黒マスク男の持っている銃は本物だ
校長が銃を向けられている…
そして次の瞬間――――
――パァンッッ
何が起こったのかこの瞬間は理解出来なかった
周りの女子が悲鳴をあげている
やっと理解出来た
打たれたのだ
校長が
周りを見渡すと
絶句している者
ぐったりしている者
泣き叫ぶように悲鳴をあげる者
ステージを見てみると…
―――校長は生きているようだ
しかし足からは赤黒い液体が滲み出ている
銃で生徒を威嚇して
テロリストのリーダー格と思われる奴がマイクを持って出てきた
「――驚かせてしまったかな？」
辺りを見れば明らかである
「――こっちとしてもなるべく無駄な殺生はしたくないんでね
大人しくこちらの指示に従ってくれると助かるよ」
小さい声で呟く
「ふざけやがって」
奥底から怒りが込み上げてくる
――ぶん殴ってやりたい
理不尽にも校長はただ生徒を牽制するためだけに打たれたのだろう
「――安心してくれ、こちらの要求どおり行動すれば殺さない」
本当かよ…？
とりあえず怒りを鎮めて一旦は言う通りにしておこう
それしか今の俺に出来る事はない…
そういえばあの3人組はどこに行ったんだろう？
無事だろうか…
体育館の時計は09：37を指していた
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