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「昼食も食べたし、午後の授業の用意でもしておくか…」
机から教科書を取り出していると
「…優介、数学のノートを貸して欲しい。」
コイツは五十嵐 栄吉(イガラシ エイキチ)
小学校からの腐れ縁だ。
控えめな性格で話しやすく、俺や士郎と行動を共にする機会が多い。
最近メガネを掛けている。
「これか?」
数学Ⅱと書いてあるノートを見せる。
「…これ」
そういえば昼休み前の数学の時に栄吉の姿を見なかったかも知れない。
身体はあまり丈夫ではないようで、1年の時も保健室に通い詰めてたのを何度も見ている。
「今回も保健室か?」
一応尋ねてみる。
「…腹痛で保健室で寝てた。」
まぁ…いつも通りだ。
とりあえずノートを渡しておこう。
栄吉はだるそうに席につき、ノートを写す。
「こんな光景も見飽きるほど見たな」
暫くするとチャイムが鳴り午後の授業の始まりを告げる。
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