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09:00 学校近くの塀の影
「…ほ、本当にテロなのか?」
栄吉はすっかり頭が真っ白になりつつある
「そうらしいな」
士郎は取り乱している様子は見受けられない
そして士郎はそのまま続けて話す
「こうなると…学校の生徒や教師のほとんどが人質にされているのは間違いないな」
…テロなら当然そのくらいはやると思う
かれこれテロリスト?が学校に潜入してから5分近くたった
人質をとるなら一ヶ所に全校生徒を集めてるか
もしくは半分近くを後に解放して、残りを人質にするか
俺の予想では前者だが…
少なくとも生徒をバラバラにはしておかないのは確かだろう
そこで
「これからどうするつもりだ?」
今後の方針を決めるべく意見を聞きたい
栄吉が先に答えた
「…現状では、僕達以外にこの事態に気付いてる外部の人はいない」
というか周りに人気がない…
辺りには学校ぐらいしかないためこの辺は生徒ぐらいしか来ないだろう
そしてその生徒達はおそらく捕まっている……
次に士郎
「とりあえず警察に連絡ってのが先だよな」
ごもっともである
携帯を取り出して
警察署に電話をするが…
プーップーッ……
電波が悪いらしく繋がらない
流石旧式の携帯…
こんなときに役に立たない
皆の携帯も同じく繋がらない…
「そういえばこの辺りに警察署はないのか?」
士郎が訪ねてくるが
「生憎、この辺は通学路しか知らなくてな」
どうしよう…
このままでは必殺の切り札「警察」が使えないじゃないか
その時
体育館方面から銃声のような音が聞こえた
時間は09:37を指していた
「こりゃ本当に急いで手を打たないとな」
士郎が呟いていた
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