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灯りの消えた街を見つめてる。
灯りが灯るなら、そこには人がいるんだろう。
灯りが消えたなら、そこには誰もいないのかも知れない。
灯す誰かがいなくなった街は寂しさを感じる。
俺は息吹が消えた街から、月明かりに照らされる部屋に意識を戻す。
そこには知り合いの女が一つのミイラと静かに眠っている。 月明かりよりも青白い顔をしながら。
「今回はタダ働きだな…全く、こんなんなるなら一発やっとけば良かった。」呟いた言葉に返事は返らない。
「コイツは形見兼報酬としてもらっていくぜ。お前は幸せだったって、お前を知ってる人間一人一人に伝えてやる。お前を死なせないために。」
そう呟き、ポーラローラの机に起きっぱなしになってる細いデュポンのライター手に取り、タバコに火を付ける。
部屋にデュポン独特の音が響く。
外は雨が降っている。
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