無題

事の始まり

親富考通り。
天神から西側に位置する福岡県有数の遊び場。
クラブやライブハウス、BAR、オカマバーなど福岡の若者が集う所。
夜になると若者の嬌声が耐えないウルセェ街。
中洲が0時を越えると寝静まるが、この街は0時以降から元気になる。
そこにはアフリカ系、中東系などの外人もたむろしていて、六本木に来たような錯覚をするくらいだ。

未成年犯罪の最先端って側面もある。
この街の通りを文字って親不孝通りってのは安直過ぎるけど、それ以外の言葉は当てはまらない。

俺は20歳の頃東京からこの街に流れてきて、なんでも屋をやってる。
あれから10年くらい経つんだな。

仕事内容は大抵が運び屋だ。
紙袋を住吉に届けたり、制服着た女をベイサイドの西側に送ったりとくだらないもんが大半だ。
しかし、10年もやってりゃ青臭い正義感も義侠心はなにも産まないって気づく。
むしろ首突っ込みすぎると火傷しちまう。

仕事に感情なんかいらねぇって。