我慢強いのです!

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「奈緒。俺が浮気するの、嫌か?」 「……嫌、ですけど……でも、それは…オレに魅力がな「違う」……え?」 茂さんはオレの言葉を遮って、手に力を込めた。 茂さんの匂いが……って、何かオレ、変態臭い!! 「逆だ。奈緒が抱きたくて抱きたくて仕方ないから、他の奴を抱いてるだけ」 「…………え、?」 オレを抱きたいから、他の人を抱いてる? どうしよう、意味わからない…… 「え、と……総長? それは、どういう」 「奈緒は細いから、抱いたら壊れそうだろ。それに、俺は満足するまで抱きたい」 な、と同意を求めてくる茂さん。 いや、オレ、平凡体型だし、茂さんがすごく引き締まった身体してるだけだと思う。 じゃ、じゃあ…… 「き、キスだけ……キスだけでも、してくれません、か……?」 懇願するように言うと、思い切り抱きしめられる。 え、え!? どうしたの!? 「可愛い……!!」 「あ、あの、茂さん!?」 「やべぇ……壊れるまで抱きたいくらい、可愛い……キスもお預けだ。それだけじゃ、収まらないからな」 低く掠れて囁かれた声に、オレの顔は真っ赤になったに違いない。 どうしよう、嬉しいのと恥ずかしいのとちょっと残念なのでいっぱいです。 「奈緒を抱きたい欲求を、他の奴で我慢してるのが、奈緒に嫉妬させてるのか……奈緒の嫉妬も可愛いよ」 「茂さん……」 嫉妬なんて汚い感情なのに、茂さんは甘く微笑むから、それすらも嬉しくて。 オレ、この人が大好きです。 「じゃあ、総長。もし浮気中に奈緒が他の人に手ェ出されたら、どうすんの?」 「相手殺す」 「うわ……」 「オレ、茂さん以外に手出されたくないです……」 「奈緒……」 「いやなっちゃん、例えだよ?」 オレの全ては、茂さんに捧げるって決めたんだから。 それに、他の人になんか、絶対靡かないし! でも、いつか茂さんに愛されるために、オレ、頑張ります! 「茂さんにキスして貰って、抱いて貰うために、オレ、体力つけてます。そしたら、浮気……やめて下さい、ね?」 「奈緒……クソッ、めちゃくちゃにしたいくらい可愛い……!」 「はい、して下さい!」 「何だこの可愛さはよぉ……絶対後悔させてやる……!!」 「「「一生やってろ、バカップル」」」 END.
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