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最後の試合も、あっという間だった。
学生という身分で、ここまで強くなれるものだろうか。そう思わざるを得ない結果だった。
結局、1人の少女が敵チーム全員を医務室送りにして、この日の学内対抗戦は終了した。
「……!?」
リングから退場しよとしてこちらを向いたあの少女と目があった。
綺麗な容姿だが、どこか幼さを感じさせる顔。俺と同じ漆黒の髪。それと……あの眼は……?
少女も俺に気付いたのか、歩みを止め、こちらを見上げている。
……まさかあの娘、デュナミスを使っていた……?
「ロア? どうしたのよ?」
心配そうな顔でシエルがきいてきた。
「あ、ああ……」
一度シエルの方に視線を戻し、またあの少女の方を向くと、もう既に彼女はそこからいなくなっていた。
……それにしても、あの娘は一体……?
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