三章、力を持つ者

2/67
6376人が本棚に入れています
本棚に追加
/413ページ
全てのクラス内対抗戦が終了してから1週間が経った。 ルキウスが正式にクラス代表になり、何事もなく日々は過ぎ去っていた。 ユリアやエリオからも何のアクションもない。 そして今、俺は学院の休日を利用してある場所に訪れていた。 「ここがか」 俺は隣に立っているレンに話しかけた。 「そうさ。このアトリエがボクが訪れたアトリエの中で一番技師の技術が優れていた」 「……アトリエ『シュピーラ』か」 建物に付いている看板を見ながらこのアトリエの名前を口にする。 かなり昔からあるのだろうか、建物自体は結構古そうだ。 「とりあえず、一番技師の人に挨拶しとこうか?」 レンの言う一番技師とはアトリエ内での最高責任者のことだ。腕もあり、キャリアもある人間のことを指す。 「そうだな。せっかく来たんだし挨拶くらいしとくか」 挨拶だけならそんなに時間もかからないだろうしな。
/413ページ

最初のコメントを投稿しよう!