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懐かしい、あの頃の夢。
長い人生の中で、普通は経験することのない出来事。
母親に売られた。魔王に出会った。そして……――。
「…………俺は」
ゆっくりと目を開ける。
見慣れない白い天井。というか部屋が全体的に清潔感溢れる白なんだが、ここはどこだ?
それに、なんだか長い夢を見ていた気がする。
で、俺は何をしていたんだっけ……。
「…………あ!?」
思い出した。俺は外地演習で外地に出て、ラヴィーナが拐われて、ノアに刺されてそれで……
「てことは、ここは医療施設か……?」
ほのかに薬品の匂いもするし、そうなんだろう。
しかし、誰が俺を……?
「よお、生きてるか?」
部屋の扉が開き、そこから俺のクラスの担任であるマグナス先生が現れた。
寝ている体を起こそうとするが、何故か力が入らない。
ふと自分の体を見てみると、大きい医療用の魔導器具が付けられていた。ノアに刺された腹周辺に。
「そのままでいいぞ。まだ一応治療中だからな」
先生は俺が寝ているベッドの近くにあった椅子に腰かけた。
あのヘビースモーカーのマグナス先生が近くにいるから、滅茶苦茶ヤニ臭い。
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