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「ま、なんていうか……大変だったな」
「それは、まあ。……それで、先生はどこまで知っているんですか?」
ラヴィーナが魔人組織コキュートスに拐われたことや、あの場にドラゴンが現れたこと。
この事を知っているのは俺とセツナだけのはずだ。
「そんなに心配しなさんなって。俺も一応そっちの事情を知ってる1人なんだ。公にはしてないが、な」
「そっちの事情……?」
「そ。お前さんのことも知ってる。そもそも、セツナにその事を教えたのは俺だからな」
「それは、どういう……?」
セツナは確かに俺の事を知っているようだった。どこで知ったのかは分からなかったが、まさかマグナス先生が情報源だったというのだろうか。
「混乱するのも無理はない。まぁ、なんだ。実は俺、元レギンレイヴの一員なんだわ」
昨日の晩飯が何だったかを言うかのような気軽さで、先生は言った。
「……って、は?」
先生がレギンレイヴの一員だった!?
衝撃の事実。予想以上に、俺の回りには事情に詳しい人物がいたらしい。
「お前さんのことは仲間内からよく耳にしたもんさ。15才でSランクに昇格し、百年に一度の天才と言われた少年。さらに、"次元操作"のデュナミスの使い手。ま、レギンレイヴの有名人だったわけだからな。俺も知っていて当然ってわけだ」
「そう、だったんですか」
世界は狭いと言うが、今ほどそれを感じたことはない。
ということは、必然的にユリアやエリオのことも知っているということになるのだろう。
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