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「そんでだ、セツナからある程度の事は聞いた。ラヴィーナ・フェミリンス、なぜ彼女が魔人組織とやらに連れ去られたのか……」
先生は顎に手をあてながら言う。
「お前なら知っているんじゃないか?」
「……そうですね。ラヴィーナが連れ去られた理由を、俺は知っています」
ラヴィーナは契約者だ。故に魔人との関わりがある。
あの魔人組織コキュートスの長、イブリースは、ラヴィーナを組織の兵として迎え入れると言っていた。
だが、どうやってラヴィーナを味方につけるつもりなのか。
「差し支えなければ教えてくれないか?」
「先生なら、多分大丈夫だと思うんで教えますが……」
先生が元レギンレイヴの人間なら、魔人のことも、契約のことも知っているはずだ。
「ラヴィーナは、契約者なんです」
「……やっぱそうだったか。あの強さ、そういうことなら説明がつくからな」
納得した顔で先生は言った。
「契約者、魔人の血を与えられし者、か。で、フェミリンスの相方の魔人は生きているのか?」
「はい。今は俺と同じ寮に住んでいます」
「そうか。なら安心だ。あそこにはアイツがいるからな」
「エリオですか?」
「ああそうだ。アイツがいれば安全だろう、多少は」
「ですね」
二人して苦笑いする。
先生もエリオの残念な性格と、その裏腹の実力を知っているのだろう。
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