五章、魔人組織

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「そんでだ、セツナからある程度の事は聞いた。ラヴィーナ・フェミリンス、なぜ彼女が魔人組織とやらに連れ去られたのか……」 先生は顎に手をあてながら言う。 「お前なら知っているんじゃないか?」 「……そうですね。ラヴィーナが連れ去られた理由を、俺は知っています」 ラヴィーナは契約者だ。故に魔人との関わりがある。 あの魔人組織コキュートスの長、イブリースは、ラヴィーナを組織の兵として迎え入れると言っていた。 だが、どうやってラヴィーナを味方につけるつもりなのか。 「差し支えなければ教えてくれないか?」 「先生なら、多分大丈夫だと思うんで教えますが……」 先生が元レギンレイヴの人間なら、魔人のことも、契約のことも知っているはずだ。 「ラヴィーナは、契約者なんです」 「……やっぱそうだったか。あの強さ、そういうことなら説明がつくからな」 納得した顔で先生は言った。 「契約者、魔人の血を与えられし者、か。で、フェミリンスの相方の魔人は生きているのか?」 「はい。今は俺と同じ寮に住んでいます」 「そうか。なら安心だ。あそこにはアイツがいるからな」 「エリオですか?」 「ああそうだ。アイツがいれば安全だろう、多少は」 「ですね」 二人して苦笑いする。 先生もエリオの残念な性格と、その裏腹の実力を知っているのだろう。
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