五章、魔人組織

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「セツナが……」 俺が助かったのはセツナのおかげだな。 先生の言う通り、今度あったらお礼を言っておこう。 ―――――――●――――――― 最近の医療技術は凄いもので、俺の傷は1週間かからずに完治した。 元々急所には刺さっていなかったらしく、我ながら悪運は強いなと感じた。 先生が病室に来た後日、アトやエリオ、レンやルキウス、ファティマやヘルがお見舞いに来てくれた。 アトが心配しないように、大した怪我ではないと伝えたつもりだったが、それでもあまり効果はなかった。まあ、病院に入院しているだけで、軽い怪我ではないことくらいは分かるからな。 「お世話になりました」 医療施設のロビーで、クルーの面々にそう告げ、俺はそこを後にした。 ここから寮はあまり遠くないようで、公共バスは利用せずに徒歩で帰ることにした。 ノアにやられた腹をなんとなくさすりながら歩いていると、どこかで見たような人物が木を背に立っていた。 しかし誰だったっけな。最近出会った人物のような気がするんだが何かが違う。 違和感を感じながらその人物の近くまでやって来た。 すると、 「やあ、久しぶりだね」 「あ……」 声を聞いて、その人物が誰だったのかを思い出した。 以前交戦した神聖教会のバトルシスターズ、その1人だ。 確かあの時はリーダーだったんだよな。てか、僧服着てないと全然イメージが違う。 フードを被ってないから顔全体が見渡せるし、印象は大分変わって見えた。
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