6375人が本棚に入れています
本棚に追加
/413ページ
「セツナが……」
俺が助かったのはセツナのおかげだな。
先生の言う通り、今度あったらお礼を言っておこう。
―――――――●―――――――
最近の医療技術は凄いもので、俺の傷は1週間かからずに完治した。
元々急所には刺さっていなかったらしく、我ながら悪運は強いなと感じた。
先生が病室に来た後日、アトやエリオ、レンやルキウス、ファティマやヘルがお見舞いに来てくれた。
アトが心配しないように、大した怪我ではないと伝えたつもりだったが、それでもあまり効果はなかった。まあ、病院に入院しているだけで、軽い怪我ではないことくらいは分かるからな。
「お世話になりました」
医療施設のロビーで、クルーの面々にそう告げ、俺はそこを後にした。
ここから寮はあまり遠くないようで、公共バスは利用せずに徒歩で帰ることにした。
ノアにやられた腹をなんとなくさすりながら歩いていると、どこかで見たような人物が木を背に立っていた。
しかし誰だったっけな。最近出会った人物のような気がするんだが何かが違う。
違和感を感じながらその人物の近くまでやって来た。
すると、
「やあ、久しぶりだね」
「あ……」
声を聞いて、その人物が誰だったのかを思い出した。
以前交戦した神聖教会のバトルシスターズ、その1人だ。
確かあの時はリーダーだったんだよな。てか、僧服着てないと全然イメージが違う。
フードを被ってないから顔全体が見渡せるし、印象は大分変わって見えた。
最初のコメントを投稿しよう!