六章、戦いの果てに

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【ファティマSIDE】 ご主人様がいなくなってから、私はセツナと共にずっと戦っていた。 この空間の周りに散りばめられた棺のような箱の中から、意思のない人形のような人間が大量に出てきたのだ。それも1人や2人じゃなくて、もうたくさん。軽く100人は超えている気がする。しかも結構強くて、明らかに普通の人間じゃなかった。 「っていうか!」 減らない! 全然! さっきから何人も倒してるというのに数が減る気配がない。それもそのはずだ。だって、あのたくさんある箱から次々に人間が現れるんだから。 しかも、セツナいわくこの中にラヴィーナがいるかもしれないということだったので、無闇やたらと魔術をぶっ放すわけにもいかず、ちまちまとレイピアで倒しているんだけど、そろそろ疲れてきた。 「せっちゃん!」 私はレイピアを振り回しながらセツナもといせっちゃんを呼んだ。なんかセツナだと味気ないし、まあ、ただのニックネームだ。 「せっちゃんってば!」 「……それは私のことでしょうか?」 「そうだよ! 他に誰がいんのさ!」 「確かにそうですね」 2メートルくらい離れたところで双銃を華麗に操っていたせっちゃんがやや呆れ気味、っていうか表情にあまり変化がないからわかんないけど多分そんな感じで私を見てきた。
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