一章、入学

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「待ち合わせ場所は中央広場のベンチだったな」 昨日アトが自販機で牛乳を買ったところだ。 目的地を確認し、俺は急いでそこへ向かうのだった。 一一一一一一一●一一一一一一一 無事アトとの約束の時間に間に合った俺は、中央塔の最上階に来ていた。 もちろん、学院長室がここにあるからだ。 「……ここか」 目の前にあるのは無駄にでかいトビラ。 一一学院長室だ。 「うわぁ、おっきぃですね~」 トビラを見ながら、隣にいるアトが感嘆の声を上げた。 「てかデカすぎだよな。ここまでデカくする必要ないだろうに」 身長二メートルの大男でも余裕で入れるでかさだ。 「きっと凄く偉い人なんでしょうね」 「学院長だからな。この学院の中では一番偉いんだろうが……」 言いつつ、トビラをノックする。 ……が、返事がない。 「あれ?おかしいな……」 まさか、留守なのか?
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