一章、入学

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一応、ドアノブを回してみると……すんなり開きやがった。 恐る恐る中の様子を確認する。 「……何の音だ……?」 豪華な装飾品に、だだっ広い空間。その奥にこれまた豪華な机と椅子が一つある。 がしかし、そんな部屋には場違いな音が聞こえてきたのだ。 「……」 アトに外で待っているように言い、慎重にその音の発生源であるところに近づいてみる。すると、それは人のいびき声だった。 この机に突っ伏して寝ている人間が学院長なのだろうかと思った直後、その人物が背中にかけているコートが目についた。 「まさか、これって……」 漆黒のコート。これはギルド『レギンレイヴ』特注のものだ。それに、ちゃんとギルドの紋章も刺繍してある。 「一体誰なんだ……?」 『レギンレイヴ』の人間なのか……? 考えても仕方ないなと思い、俺はコートに手をかけ、そのまま剥いだ。 「これ、は……人形……?」 ……どうなってやがる?何故人形が代わりにあるんだ……?
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