6376人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、学院長はどうしたんだ?」
アトをぬいぐるみのようにぎゅうっと抱きしめているユリアにきく。
「学院長はねぇ……アタシでぇす!」
「そうか。で、学院長はどこにいるんだ?」
「……無視されるとね、お姉さん悲しいの……」
「知るか。てか早く教えろよ。知ってるんだろ?」
「はいはいまったく真面目だねぇ」
アトを解放して、ユリアはどっこい正太郎と言いながら立ち上がった。
そして、ユリアは椅子から人形をどかし、コートを羽織る。
「ふぅー」
ドスッとそこが定位置であるかのように、ユリアは学院長の椅子に腰掛けた。
「やっぱこの椅子は快適ねぇ」
「…………」
「そんな睨みなさんなって。今から説明するからさ。一一じゃ、まずは自己紹介から。アタシはユリア・フリージア。ヴァナヘイム学院の学院長代理でぇす!」
「学院長代理……?」
「そそ。今学院長が不在だからアタシが代わりにやってんのよ。驚いた?」
「いや、まあ……、少々」
なるほど、入学式に学院長が出てこなかった理由はこれか。
確かに、こんなあちこち露出したエロい格好の女が学院長代理ってのは締まらないからな。
最初のコメントを投稿しよう!