二章、学内対抗戦

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一般教養科目、判断推理の授業にて。 「タロー君は月曜日だけウソをつき、月曜日以外は正しいことを言います。ある日タロー君は『今日は月曜日で、僕には妹がいます』と言いました。果たして、彼には本当に妹はいるのでしょうか?」 女性の教師が黒板に書いた問題を読み上げた。 この問題は、判断推理という科目はみんな初めてなので、ほんの小手調べということらしいが…… 「……………」 「……………」 「……………」 クラスの皆、誰も解らないのか、誰ひとりとして声を上げない。沈黙だ。 そんな生徒達を見て、女教師は満面の笑みを浮かべた。 「あらあら情けない。誰も解らないのかしら?」 満足げに女教師は言うと、今度は肩をすくめた。 「なら、この問題が解けた生徒は私のところまで来て答えを言ってちょうだい」 女教師が言うと、教室内がざわつきだした。 皆、他の生徒とあーじゃない、こーじゃないと相談し始めたのだろう。
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