五章、魔人組織

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「もうそろそろセドナ村かな。本当は外地演習で立ち寄るはずだったのにこんな形で来る事になるとは予想外だった」 「そうですね。魔人組織コキュートス、彼らの目的は何なのでしょうか」 「さあ、それは分からない。だが、そんなことは関係ない。俺は二人を取り戻すだけだ」 ラヴィーナとノア。二人を組織から奪還する。それが一番の目的だ。別に魔人組織を壊滅させたいとかを考えているわけではない。 「風が気持ちいいな……」 歩きながら、外地の風を全身に感じる。外地の風は内地と違い、なんというか澄んでいる。特に気持ちいいんだ。 「……フェミリンスさんは孤児なんだそうです」 唐突にセツナは口を開いた。 その口調はいつものセツナで、あまり特徴がなく、抑揚のない声だ。 「親を早くに亡くし、ずっと孤児院で暮らしていたそうです。その頃からあまり周りに溶け込めず、1人だったときいています」 誰に、とは訊かなかった。多分、マグナス先生だろうからな。 「父が武芸者で、将来は自分もそうなりたかった。幼い頃から彼女は武芸に励んでいたそうです」 セツナは淡々と告げる。事務的にすら感じた。ラヴィーナの事を教えるように誰かに言われたかのようだ。
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