始まり

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「あの…バイトの張り紙見たんですけど。」 ドアの所に、まことと同い年くらいの背の高い女の子が立っていた。 思ったより低めの声で、ベリーショートの金髪のその子はまるで何かの戦いに挑むように言った。 「バイト希望の子?!」 俺は目を輝かせてその子に迫る。 「っはい!」 元気の良い女の子だ。 それに今はとにかく人手が欲しい。 「はい君採用!」 にっこり笑って言った。 …のに 「え…」 その子はポカーンと口を開けて固まってしまった。 いきなり過ぎたか。 おろおろして取り繕う。 「えっと…今ほんとに人手不足で困っててね。来るものの拒まずって感じなんだ。 あ、履歴書とか後で持ってきてくれる?」 理解したのか可愛らしく微笑む。 「でもここでバイトするのに1つお願いがあるんです。」
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