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三日前のこと。
プルルル・・・プルルル・・・
「はい『レストラン・プリンセス』です。あ、中村さん?・・・・・えっ?!入院?!ちょ・・・・はい・・。お大事に・・・。」
ガチャ
始まりは龍介が出た中村さんからの一本の電話だった。
中村さんというのは、ちょっとポッチャリぎみの三十代半ばのおばさんだ。
そして、「レストラン・プリンセス」の数少ないウエイトレス。
最近近くに出来た三ツ星レストランのせいで、客も従業員も取られてしまった。
今いるのはシェフ二人とウエイトレス一人、そして龍介の愛娘が時折手伝っている。
そんな営業状態の中、唯一のウエイトレスの中村さんから入院するという電話がさっきあったのだ。
家で食中毒を起こしたらしく、八月末まで休むということだ。
今は夏休みの頭。いくら娘が休みだからといって。しかも、お客が(少しでも)増えるというのに・・・・・・。
「ウエイトレスいないのに、どうやって営業しろってんだぁぁぁぁああ!!」
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