◆入学式

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《こ、これで入学式を終わります。各自自分の教室に戻ってください》 司会者の言葉でぞろぞろと体育館を出る。 「あ、玲と煉はまだ残ってろよ?話があるから」 「「はーい」」 ・・・・・・可愛い。 暫くすると、体育館は俺ら生徒会と玲と煉だけ残った。 「で、お前らなんでこの学校なんだ?」 「それはクロに会いたかったからだよ」 俺の質問に玲が答えた。 「俺達、クロに会えなくて凄く寂しかったんだ。だからこの学園に来たんだ」 玲の後に煉が言った。 ・・・・・・にしても 「久し振りに見たが、やっぱりそっくりだな」 「当たり前じゃん、僕ら一卵性の双子だよ?」 「んなことはわかってる。ただ、お前らの顔が懐かしいから・・・」 久し振りだから、少し嬉しいんだよ。 お前らに会えて・・・。 「クロ好きー」 玲はそう言い、抱き着く。 何となく煉の方を見ると、 「・・・俺も好き」 俺に抱き着きながら言う。 ワシワシッ 「ちょっ、クロ!髪の毛がボサボサになるよ」 「禿げる禿げる」 俺が髪をワシワシと撫でると、二人して抵抗してきた。 撫でるのをやめる。 「?クロ、どうしたの?」 「・・・・・・クロ?」 「・・・・・・二人とも俺のことが嫌いなんだな」 「違うよ、クロ。それは嬉しくて・・・」 「頭、あんな強く撫でられたら禿げるんだけど」 玲は照れながら言うが、煉は頭を押さえる。 「ごめんな、痛かったろ?」 俺は二人の頭を優しく撫でると目を細める。 「「あのー、お取り混み中すみません、知り合いなの?」」 .
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