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何で師匠が死んだのか、何で江戸から京都までわざわざやって来たのか、
それに、先程の…
「私もそれで死にかけた」
という発言。
この娘と一緒に居れば居るほど、この娘が何者なのかが分からなくなる。
しかし、そんな事より…。
「なあ、千絵さんって一体いくつじゃ?」
のほうが気になった。
見たところ、坂本よりは年下に見えたが、何だか落ち着きはらっていたので二十代半ばくらいに思えた。
しかし千絵は、
「18です」
と言った。
「はぁ!?18ィっ!!?」
千絵の意外な年齢に驚く坂本。
「だって18ィ!?
18でそんな落ち着きはらって、年寄りみたいな考えして18ィ!?
悟り開いて18ィ!?」
「いや、言ってる意味が分かんないですけど…」
一人興奮する坂本に、冷ややかな視線をおくる千絵。
「ほらっ! その目じゃ!!
18でそんな冷えきった目をするとは…」
「悪かったですね。
この目は生まれつきですよ」
興奮しまくる坂本に、更に態度が冷たくなる千絵。
そんな妙なやり取りをするうちに、長州藩邸に到着した。
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