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ザァァァッ...
ザァァァッ...
真夜中の浜辺に波の音が反響する。
湊「こんな夜もたまにはいいものですね」
湊は俺に顔を向けず話した。
準一「そうだな」
ザァァァッ...
ザァァァッ...
波の音だけが存在感を放っていた。
湊「私...」
少しの沈黙の後、湊が口を開いた。
湊「私、優姫さんが羨ましかったんです。」
握っていた手が強くなる。
湊「兄さんと楽しそうに言い争ってる優姫さんが...」
湊「そしてなにより...」
湊は言いかけたところで俯いた。
湊「兄さんとキスした優姫さんが...」
俺も俯いてしまう。
湊「兄さん」
湊「今夜は...今夜だけは...甘えてもいいですか?」
そういいながら湊は泣いていた。
俺の目を見つめながら...。
俺は湊を抱きしめる事しか出来なかった。
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