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あれから一年が過ぎた。
たったの一年が、この一年だけは今までのレヴィには考えられないほど、気が遠くなる時間だった。その間にレヴィを襲ったのは、身を焼き焦がすような孤独だった。それでもまだ正気でいられたのは、コウとの思い出がまだ消えていないから。それが消えてしまったら、また孤独を忘れるくらいの独りがまた始まるのだろう。レヴィにはそれが痛いほどに分かっていた。既に一度経験しているからだ。
だが、今度ばかりはコウという存在が大きすぎた。一年ではその些細な動きの一瞬でさえ忘れていない。というよりかは、忘れられないのだ。一日に一度か二度と出る、
「コウ‥‥‥。」
という言葉が、それを物語っていた。
そしてレヴィは来る日も来る日もこう祈っていた。
――神様、どうか僕を人間にしてください。コウのいる世界に行きたいのです。僕はもう充分、孤独を味わいました。僕の最初で最後のお願いです。人間にしてください。―――
時は未だ神の死する前。
それ故に神はルシファーをこの者の元へ遣わす事を決めた。そして、レヴィアタンの運命(サダメ)をルシファーに委ねた。
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