10人が本棚に入れています
本棚に追加
海岸に打ち上げられていた精神年齢は生まれたてのような青年と、深くフードを被った男は、出会って早々に行動を共にすることになった。
フードを被った男は倒れていた青年に自分の名前を教えることから始めることにした。
「僕の名前はレイナガ・ヒデンシーだよ。」
「れららら、いりゃりゃりー‥‥?」
こうなればフルネームを教えるのは諦めて、あだなを教えてやる。
「僕の名前はレイン。レ・イ・ン。」
「れ・り・る‥‥?」
「う~ん惜しいんだけどなぁ。レ~イ~ン~~。」
「れーぅいーんー!」
やっと自分の名前らしいその声に思いっ切り喜んだ、マント姿の男は、フードを取って、綺麗に整った顔を顕わにして、
「そう、レイン!宜しく!あぁ、君の仮名も考えなきゃな。そうだ、テイジーの海岸にいたから、プリンス・ド・テイジーで略してテプリね。」
そんな2人はテイジー国のはずれから、マグール中枢へと向かっていった。
中枢へと向かう汽車の中で、様々な言葉を教えていったのだが、記憶を無くした青年はとても飲み込みが早かった。レインはまるで赤ちゃんからの成長を一般の何倍もの早さで見ているような気分になった。もしかすると思春期もくるのでは?とも思ったが、それはくる前に目的地に着いていた。
最初のコメントを投稿しよう!