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大きな門の両端には金と銀の獅子のモニュメントが置かれてあり、その下には黒いタキシードを来たイカツい男が1人ずつ立っている。その門の奥には果てしない林があった。
――そこはマグール王国の中枢、聖ライオンズ学院‥‥。
誰もが憧れる名高い学校だ。しかしその中を詳しく知るものはそう多くはないだろう。
都会化していない豊かな土地が広がるマグール王国だからこそ、この学校は存在できたと言える。それほどまでに広く、謎の多い学校と言うわけだ。
「さぁ着いたよ、テプリ。ここが聖ライオンズ学院だ。」
「聖ライオンズ‥‥?」
「そう。これからここの一番偉い人に会うんだ。」
「偉い人、強い?」
「あぁ、僕の何十倍も強い御方だよ。」
そう言ってゆっくりと門をくぐっていく。門番に、レインは顔パスのようだ。
外から見ると広大な林を抜けて学院の本塔より先にある風見の塔に足を延ばした。そこには学院理事長を務めるライトンの姿があった。
彼はゆっくりとこちらを振り返ると、
「やぁ、レイン君。おかえり。」
と言ってニコリとした。だが、その貫禄のような物がテプリに一種の恐怖のような感情を与えたのだった。
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