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「あぁ、皆まで言わなくても分かっている。だが、今はそんなことを言っているときではない。私のことよりも、神様の事を第一に考えなさい。私はもう少し、神様が存命出来る方法を考えてみる。」
「御意。失礼しました。直ちに調査に戻ります。」
アスモデウスはそう言って、スッと姿を消しました。さて。とLも動き出して、神様のいる部屋へと向かいました。
「神様。お加減はいかがでしょうか。」
「あぁ、お前か。すまんの、仕事が増えてしまって。」
と言う神様は、病にかかってから急激に老いてしまいました。
つまり、その病というのが『老い』だったのです。
老いを知らない世界だったために、今まで溜まっていたその年月がどっと体に押し寄せてきたようです。顔には幾重にも重なる皺が覆い、声も枯れて届きにくくなってしまっています。
「そのような事をおっしゃらないでください。私の仕事は元より、あなた様に付き従うことにございます。神様はより早い回復のみをお考えください。」
「すまんのう。」
すまん、すまん。
と言う神様を見て、あの大胆不敵であった姿はもうそこにはなく、その時期まではわずかに思われました。
だから、Lは取り急ぎ、神様を生き長らえさせる術を見つけるために、天界で一番大きな図書室へと足しげく通ったのでした。
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