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ようやくジャンが泣き止んだ頃、そういえば、と名前を尋ねれば、
「僕の名前はルシファー。長いからルキでいいよ。」
と言われ、その優しくなった声に、ジャンがこれ見よがしに、
ルキ!どこから来たの?とか、
なんで空から降ってきたの?とか質問責めにすると、ルキは頭を抱えて、
「今度、落ち着いたら話すね。」
と言って、その場をおさめた。
しかし気がつけば、ルシファーの住む場所がないことをジャンに指摘され、この小屋に住んで良いことになっていた。
ジャンは、
「今日はまず、お家にお帰り。」
とルキに促されると、明日また来るね。と言って去っていった。
ルシファー。この男が空から降ってきた理由。それは元々天使だったルシファーが、その地位を剥奪され天界を追放されたからだった。
本当ならそのまま地獄へと堕ちるはずだったのが、どういう訳か現世へと堕ちてしまったようだ。
これは、地獄の支配者である悪魔のサタンかマモンが、いつかやって来るな。
と簡単に予想が出来たのだが、ルシファーは折角だしと、その時が来るまで現世を楽しむ事にした。
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