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やがて、そこに、まるでトマトのように太陽の恵みを受けたといわんばかりの赤々とした不死鳥が現れ、ルシファーの肩に停まった。
おそらく、ずっとルシファーのことを探していたんだろう。不死鳥は目を細めて、ルシファーの頬へとすり寄った。
「やぁ、フェン。僕のことを探してくれていたのかな?少し痩せたかい?」
ハハハと笑い、ルシファーは不死鳥のフェンを優しく撫でた。
「でも、この世界でその姿はまずいな。」
と言いながら、呪文も無しに、フェンを孔雀へと変えてしまった。
「すまないね、フェン。しばらくはその格好でいておくれ。」
フェンは軽く頷き、ルシファーの肩から降りた。
しばらくして、コンコンコンと小屋のドアを叩く音がする。小屋にある大きめな椅子でうたた寝をしていたルシファーはその音で起き、ドアを開けると、バッと勢いよく少年が入ってきて、
「ルキ!今日ね、本当はパパに出かけちゃダメって言われてたんだけど、来ちゃった。」
と嬉々としてそう話した。実は家の手伝いばかりしていたジャンには友達がいなかった。だから、ルシファーを初めて出来た友達と思って喜んでいたのだ。
そして、ルシファーもそんなジャンに甘えて、
「なぁジャン。この世界にあるものを教えてくれないか?」
と言えば、
「いいよ。でも何を教えたらいいんだろう?だって、俺よりも長く生きてる兄ちゃんに教えるったって。」
と言った。『長く』というのは、ジャンは十年ほどだと思っているのだろうが、実際はその何十、いや何百倍だった。
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