龍臥、北町に見参

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『あ?誰が三バカトリオだとコラ!!どこのもんだテメェ!』 こめかみに青筋を立てながら男の一人が怒鳴り上げた。 『三バカトリオ言うたらオドレ等しかいてへんやろが!!後ろから見たらだんご三兄弟かと思ったっちゅーねん。つか人様に誰か聞く時はまずオドレ等から名乗れや。』 赤茶色の髪を鷲掴みにしてた男が流華から手を放すと、一目散に龍臥目掛けて突進して来た。 『俺等は北町下地区のデススターだコラーッ!!』 突進して来た男が叫びながら、龍臥の目の前でコブシを大きく振りかぶると、力任せに右パンチを繰り出して来た。 ボストンバックですかさずカバーした龍臥は上段回し蹴りに転じると、見事に相手の顔面にカカトがメリ込む。 『ぐあっ!!』 龍臥の横で膝から崩れたところに追い打ちをかけるような強烈な蹴りがまたも顔面をとらえると、低い唸り声を上げたままコンクリートに顔から崩れ落ちた。 『て…テメェ!俺等がデススターって知ってて喧嘩売ってんだろうな!!』 残りの男二人が身構えたまま叫んだ。 『あ?背中の《死》がデスで、星がスター…そやでデススターか?女みてぇに弱ぇから俺はてっきりデススターやなしに死の星でシスターやと思ったやんけ。』 ボストンバックを足元に置き、ニヤニヤしながら相手を挑発する龍臥。 『上等だクソボケがぁーっ!!』 また一人龍臥目掛けて突進すると飛び蹴りを繰り出して来た。 左腕のみで相手の蹴りをガードすると、合わせたかのように右ストレートが綺麗に相手の鼻っ柱にメリ込んだ。 フッ飛んだ相手はコンクリートに後頭部を打ち付け、くの字に曲がった鼻から飛び出るように鼻血が吹き出した。 残りの男は危険を感じたのか、少しずつ後退り出した。 『オイみたらし団子!!残るはオドレしかいてへんのやけど、どないすんねん!』 『て…てめぇ。このままで済むと思うなよ!!』 残った一人が吐き捨てるように言うと、慌てて踵を返して逃げようと振り返った瞬間、後ろで流華がコブシを握り締めて大きく振りかぶっていた。 『えっ。あ。ちょ待っ…』 ボガッ!! 『ぐあっっっ!!』 男は顔を押さえてのけ反ると続いて蹴り上げた流華の細い足が、男の股間を突き上げた。 『あ゙。あががが…』 一瞬でムンクの叫びのような顔になった男は、自分の股間を押さえたまま膝から地面へと崩れ落ち悶絶していた。
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