158人が本棚に入れています
本棚に追加
『俺は西町の慶次(ケイジ)って言うもんだぴょん♪よろしくなり♪』
チャラチャラしたノリで、慶次はピースをしてみせた。
一瞬、周囲がざわつく…。
『あ♪って言うか君は「その他」の龍臥だよね?君とはやり合う理由はねぇから、タイマンは終わりね』
突然の慶次の発言に目を丸くした龍臥は、なにがなんだか訳がわからなくなった。
『はぁ?北町統一を賭けてのタイマンなんやぞ!!いきなり飛び入り参加して統一目前の決勝戦で辞退って…どういう意味やねん!!』
龍臥の問い掛けに、慶次はめんどくさそうに口を開いた。
『だ~か~ら~…俺は北町とか興味ないのね。ひいババアのアパート襲撃したブルバを潰しに来たってだけだも~ん俺♪』
(ひいババア…アパート…襲撃…ブルーバード…)
『お…お前っ!!ウメ婆の…ひ孫なんか!』
『そゆこと♪だから北町統一とか興味無しなんで、俺は負け負けリタイア白旗バンザイごめんなさい…ってことで君の勝ちね♪』
慶次の狙いは最初から北町ではなく、ひい婆ちゃんであるウメ婆の新姉妹荘に押し寄せたブルーバードだったようだ。
その仕返しと言うだけのために、これだけの人数がごった返した戦場に、たった一人で乗り込んで来た慶次を、龍臥は心の中で感心した。
『龍臥ぁーーーっ!!』
『龍くぅーーーん♪』
『タンクトップぅーーーっ』
静けさの中、どこかに逃げ隠れて居た銀介、流華、乃愛の3人が走り込んで来た。
(豚ニワトリめ…またタンクトップ言いやがった)
『やったな龍臥!!これでお前が北町の頭だぞぉ!!』
目玉を見開いて興奮してる銀介が龍臥の面前で感極まっている。
『龍くぅーん。生きてる?怪我無い?あそこの骨折れてない?』
流華が勢いよく抱きついて来た。
『痛ててててっ、生きてるから。怪我余裕やから。あそこ…なんぼも言うようやけど骨ねぇから…』
『タンクトップぅー!!頭は大丈夫ぅ?体は大丈夫ぅ?あそこは大丈夫ぅ?』
ブピブピ鳴らしてた鼻血がすでにカピカピに固まっている乃愛も、頭のモヒカンをバッサバッサさせながら言うと、すかさず龍臥は乃愛の巨体に指を差した。
最初のコメントを投稿しよう!