過去例の無い統一

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  『俺は西町の慶次(ケイジ)って言うもんだぴょん♪よろしくなり♪』 チャラチャラしたノリで、慶次はピースをしてみせた。 一瞬、周囲がざわつく…。 『あ♪って言うか君は「その他」の龍臥だよね?君とはやり合う理由はねぇから、タイマンは終わりね』 突然の慶次の発言に目を丸くした龍臥は、なにがなんだか訳がわからなくなった。 『はぁ?北町統一を賭けてのタイマンなんやぞ!!いきなり飛び入り参加して統一目前の決勝戦で辞退って…どういう意味やねん!!』 龍臥の問い掛けに、慶次はめんどくさそうに口を開いた。 『だ~か~ら~…俺は北町とか興味ないのね。ひいババアのアパート襲撃したブルバを潰しに来たってだけだも~ん俺♪』 (ひいババア…アパート…襲撃…ブルーバード…) 『お…お前っ!!ウメ婆の…ひ孫なんか!』 『そゆこと♪だから北町統一とか興味無しなんで、俺は負け負けリタイア白旗バンザイごめんなさい…ってことで君の勝ちね♪』 慶次の狙いは最初から北町ではなく、ひい婆ちゃんであるウメ婆の新姉妹荘に押し寄せたブルーバードだったようだ。 その仕返しと言うだけのために、これだけの人数がごった返した戦場に、たった一人で乗り込んで来た慶次を、龍臥は心の中で感心した。 『龍臥ぁーーーっ!!』 『龍くぅーーーん♪』 『タンクトップぅーーーっ』 静けさの中、どこかに逃げ隠れて居た銀介、流華、乃愛の3人が走り込んで来た。 (豚ニワトリめ…またタンクトップ言いやがった) 『やったな龍臥!!これでお前が北町の頭だぞぉ!!』 目玉を見開いて興奮してる銀介が龍臥の面前で感極まっている。 『龍くぅーん。生きてる?怪我無い?あそこの骨折れてない?』 流華が勢いよく抱きついて来た。 『痛ててててっ、生きてるから。怪我余裕やから。あそこ…なんぼも言うようやけど骨ねぇから…』 『タンクトップぅー!!頭は大丈夫ぅ?体は大丈夫ぅ?あそこは大丈夫ぅ?』 ブピブピ鳴らしてた鼻血がすでにカピカピに固まっている乃愛も、頭のモヒカンをバッサバッサさせながら言うと、すかさず龍臥は乃愛の巨体に指を差した。  
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