過去例の無い統一

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  『その頭に体…お前が大丈夫かいなっ!? つかお前にまで俺のあそこ心配される意味がわからへんっちゅーねん!!』 龍臥のツッコミに対し、満面の笑みを返す乃愛。 その顔は可愛いとはほど遠く、歯は二本ほど抜け落ち、カピカピに固まった鼻血とボコボコの顔、頭のモヒカンと総合すると…北斗の拳の敵チャラに居てもなんの違和感もないほどの出で立ちだった。 『ぐ…。貴様なんぞにこのワシや能無しの涼、そして北町全土をまとめて行けるんかのぉ…』 意識が戻った福沢がふらふらになりながらも立ち上がった。 『まとめる器量なんかあらへん。そやけど…一つになりゃ北町者同士の醜い争いは消える。俺はそれだけでえぇねん』 『…』 周りは静まりかえっていた。 その沈黙を破ったのは、復活した涼だった。 『誰が能無しだクソ豚が!!てか龍臥!!なにも知らねぇ新参者が知った口聞くじゃねぇか。この北町が過去一度もまとまらなかった理由…テメェ知ってんのかよ!!』 『まとまらなかった理由!?お前等が犬猿やからとちゃうんかいな』 『犬猿…そうかも知れねぇが、それが原因じゃねぇ。よその町と違ってこの北町には俺達以上に犬猿の組織、油田(アブラダ)一家と水嶋(ミズシマ)組って暴力団組織があるんだ。俺は水嶋組、福沢は油田一家がそれぞれケツ持ちに付いてる。ガキの俺達だけで一つにまとまるとか…バックの奴等が「ハィそうですか」て納得するわけねぇだろ!!』 涼は勢い任せに言い切ると、地べたにツバを吐いた。 『ヤー公がなんやねん…お前等はヤー公の子守りがねぇとケツ一つ拭くことも出来へん鼻垂れ小僧の集まりなんかい!!ケツにヤー公ぶら下げとるもんやさかいベビーシッター代稼ぐために強奪恐喝窃盗したり薬や盗品売買したりせなあかんのやろが!! ヤー公にゴマすって無駄な犯罪背負うリスクと、一から十までテメェのケツはテメェで拭くリスク…どっちが胸張って男語れるんや!!』 龍臥の怒声に再び辺り一面が静まり返り、両チームの兵隊達も顔を見合わせている。 『ガッハッハッハッ(笑) 恐いもの知らずもそこまで行ったら無茶苦茶じゃのぉ。…気に入った!! この福沢、貴様の器量を間近で見定めたるわい』 声高らかに笑いあげると、デススターの解散を宣告し、福沢は龍臥の仲間へと加わった。 『チッ…ったく…。 本日を持って我らブルーバードも解散!!水嶋組も油田一家も…クソ喰らぇだ!!』
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