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『オォォォォォォォオォーッ!!』
周囲が一斉に雄叫びを張り上げ、この北町中央倉庫が崩れんばかりの歓声に包まれ、建物全体がビリビリと揺れている。
福沢率いる元デススター20名…。
涼率いる元ブルーバード20名…。
銀介と金太郎も加わり総勢42名が、龍臥の元に一丸となった。
この北町が一つとなった歴史的瞬間である。
『ん?あれ?白いの…どこ行きよった?』
辺りを見渡す龍臥。
しかし、風の如く現れた白装束の慶次の姿は、もうどこにもなかった。
『あの西町の慶次って男の名…どこかで聞き覚えがあるんだけどなぁ…』
頭を掻きむしりながら考え込む銀介、…だが思い出せないようだ。
『龍ぅ…ありまとネ♪』
龍臥を見上げ、ニッコリと微笑んだ流華がつぶやいた。
なにも言わずに龍臥は、赤茶色の綺麗な髪を自分の胸へと抱き寄せた。
『北町内部抗争は…終わりや…』
龍臥の言葉が、夜の倉庫で暖かく響いた。
外はすっかり宵闇で、ポツリポツリと埠頭の外灯が灯され、ジリジリとこの北町を照らし続けていた…。
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