祭りのチョコバナナって、何であんなにおいしんだろう

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ヒューヒュードンドンガヤガヤガヤガヤ…… 今日は、海生町<カイセイチョウ>の夏祭り。 ついでに夜9時頃。 ついでのついでに場所は、祭りの開催地である海生寺。 の裏山のてっぺん。 そんなところに俺…サハクィエル…じゃなかった、茶葉木 樹助<サハキ キスケ>17歳(彼女募集中)は、いた。 髪はあまり伸ばさず、ボサボサ。 目はつり目ではなく若干のタレ目。 日本人なので、両方とも黒。 顔は……イケているわけでもなく不細工でもない。 体は、ガリでもないし、デブでもない。一般の17歳の平均的サイズ。 着ているものは、抹茶色した浴衣に、下駄。 それと、後頭部にプラスチックでできた戦隊物の仮面(赤)。 あぁそれと、右手に食いかけのチョコバナナ。 左手にわたあめだ。 なぜ、そんな一般男子高校生の俺が、山のてっぺんにいるかというと、それは、花火を見るためだ。 ここは何気に隠れスポットで、とても良く花火が見えるのだ。 そしてそろそろ花火打ち上げの時間。 悟空並みにワクワクしていると……。 ヒュルルルーー……ドカーン!! 「おお!」 俺が感嘆の声をあげるほど綺麗な大輪の花が、夜空に咲いた。 それを皮切りに次々と花は咲き乱れていく。 ただその光景に見惚れていると、一輪の花が咲いた後、何かこちらに近づいてくる物が見えた。 「?」 目を凝らし、よーく見ているとそれは、かなりのスピードで、こちらに近づいていた。 そして、それが何なのか理解する前に強い衝撃と共に意識を失った。
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