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台所のタイルに不気味に浮かび上がる男の顔
スペインのアンダルシア地方に、ベルメス・デ・ラ・モラレダという小さな村がある。この村に住むフワン・ペレイラ一家に、ある朝異変が起こった。
1971年8月23日の朝、この家の奥さんであるマリーアが、いつものように朝ご飯のしたくをしようと台所に入ったところ、台所のタイルの床に見知らぬ男の顔がくっきりと浮かんでいたのだ。
「なに・・?これは絵・・?誰がこんなものを描いたの・・?」
男の顔はちょうど等身大で、目も鼻も髪の毛も灰色の線でくっきりと描かれていた。気持ち悪くなったマリーアはすぐに夫を呼んだ。
「あなた!ちょっと来て!台所の床に何か変なものが!」
妻の叫びを聞いて夫が駆けつけてきた。
「なんだ、これは・・。子供たちのいたずらじゃないのか?まったく・・!」
いや、そうではない。子供たちにこんなにうまく絵が描けるわけがない。それに確かに昨日はこんなものはなかった。
「まあ、誰かがいたずらで描いたんだろう、気にすることはないよ。消してしまおう。」
夫はそう言って掃除道具を持ってきた。ところが2人でいくらゾウキンでこすっても、いっこうに落ちない。まるでタイルの内部に描かれているかのようだ。
「なんて気持ち悪いんだ。」
どうしても落ちないのでしょうがない。その部分をそっくり替えてしまうしかない。左官屋を呼んでタイルを切り取ってもらうことにした。
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