台所のタイルに不気味に浮かび上がる男の顔

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男の顔の部分のタイルが切り取られ、新しいタイルをはめ込み、一応、これで解決したかのように思えた。 だが、その数日後。 「あなた!」マリーアがまたも叫び声をあげた。またもや同じ位置に同じような顔が浮かび上がっていたのだ。さすがに気味が悪くなって2人は村長に相談してみた。 「うーん・・。この顔が誰のものかは分からないが、これを粗末に扱わないほうがいだろう。どんな祟(たた)りがあるか分かりませんよ。」 村長の提案でその顔の部分は切り取られて壁に飾り、下に花を添えて供養が行われた。このあたりまでくると、噂は村の外にまで伝わり、連日野次馬が押しかけるようになっていた。 そのうち誰かが提案して、顔の浮き出た部分の下を掘ってみようということになった。何人かで掘っていると、なんと2メートルほど掘ったところでたくさんの人骨が発見されたのである。 古い資料を調べてみると、この家が建っている場所はかつて墓地だったことが分かった。では浮き出た顔は、そこに埋葬されている者の顔なのだろうか・・? 顔の浮き出た部分は2回も切り取った。そして供養もした。だが、まだ終わらなかった。新しくした床に3ヶ月後、またもや顔が浮かび上がってきたのだ。しかも前の男とは違う顔が! そして二週間後には女性の顔が現れ、それから次々と顔は出現し、合計18個もの顔が床に浮かび上がってきたのである。顔だけではない。今度は何か人の声まで聞こえ始めた。 調査隊が高感度マイクで音を拾ってみると、何か苦しそうなうめき声や泣き声、どこの言葉か分からない言語がキャッチ出来た。 さすがに夫婦は我慢の限界にきてしまい、台所を大改装してしまった。そのせいか1974年からはだんだんと現れなくなってきたが、1982年になって再び出現している。今後もこの顔の出現を完全に止めることは困難を極めるようだ。
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