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30年前の過去の世界に迷い込み、空中接触を起こした飛行機
1960年1月25日、アメリカのジョン・ウオールは、新しいセスナ機(182型機)に乗って、オハイオ州の上空を飛んでいた。ゆっくりと旋回をしている時に、向こうの方から一機の飛行機が近づいてくるのが目に入った。
「あれは一体、どこの飛行機だ?」 ジョンは不思議に思った。
向こうから飛んでくる飛行機は、その当時では飛んでいるはずのない古い形の、木製の翼を持ったレアード複葉機(ふくようき)だったからである。
「どうして今頃、あんな古い型の飛行機が飛んでいるんだろう。」ジョンは不思議に思った。そう思ったとたん、向こうの飛行機も操縦がヘタなのか、ふらふらと機首を曲げ、ジョンの乗っているセスナ機に向かって飛んできた。
「危ない!」ジョンはとっさにセスナ機を急旋回させた。目前に相手の飛行機が迫ってくる。このまま衝突か・・!と思われたが、なんとか危ういところで正面衝突だけは免れた。だが、すれ違いざまに、相手の飛行機の翼とジョンのセスナ機の翼は少し衝突してしまった。衝撃がジョンの飛行機に走る。
「危なかった・・!」ジョンはひやっとしながらも、そのまま帰路についた。
そしてそれから3ヶ月後、ジョンは連邦航空局が発行しているニュースレポートを見ている時に、ある小さい記事を見つけた。その記事とは、
「オハイオ州のロークレス村の牧場の、古い小屋の中で30年前のレアード複葉機が発見された。」
というものである。
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