突然発生した亀裂に飲み込まれた花嫁

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突然発生した亀裂に飲み込まれた花嫁

1973年3月26日の夜、エジプトのアレキサンドリア。この日、新婚だったアンワール・サイド氏と妻のメルベットはアル・ホレヤ通りを歩いていた。映画を見に行って新居に帰る途中だったのである。 十字路を曲がるとそこには大きな水たまりが出来ていた。サイド氏は、とりあえず妻を先に行かせることにした。だが、メルベットがその水たまりを通り抜けようとした瞬間・・突然地面が大きく裂けて道路に亀裂が走った。地震でもないのにいきなり地面が割れたのだ。 「キャーッ!!」という悲鳴と共にメルベットはあっという間にその亀裂に飲み込まれてしまった。びっくりしてサイド氏はその亀裂の底を覗き込む。 だが亀裂はあまりにも深く、底が見えない。妻の名を必死に呼びながら亀裂の中に飛び込もうとしたサイド氏は通行人に引き止められ、ショックのあまり気を失って病院に運ばれた。 この事件はすぐにアレキサンドリア中に広まった。警察が駆けつけ、何十人もの人間が動員されて落ちたところを掘り起こしてみたが、いくら掘っても遺体は見つからない。 大学工学部のディーン教授は 「あまりにも強い水圧が地下の土壌を流れの速い泥の川に変え、そこに落ちたものをあっという間に流しさってしまったのだろう。」と語ったが、泥をほとんど除去したにも関わらずやはり遺体は発見されなかった。 結局このままこの事件は、原因不明の蒸発事件として終了となったのである。
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