誕生 低俗マリア

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思い上がった人間どもめ。 三カ月前に噴火したばかりの霧島山、新燃岳の火口口を見ていると、まさしくそんな言葉が聞こえてきそうな気になる。 火口口を覗く眠主党議員、鳥山由紀夫も、その火山活動を目で見て、背中にぞっと冷や汗の流れるのを感じた。 「まさしく自然の脅威だね」 烏山議員が、もう笑うしかない、と云った体で、誰に話す事なく呟いた。 彼は今回、政府公認の極秘の調査団をまとめて、ここ宮崎県にある新燃岳へ来ていた。 団員は地理学の権威、岩黒博士。 登山家、竹中洋山。 他、烏山議員のSPを含め、十数人程度だった。 岩黒博士は、足下のマグマの発する熱で滝の様に吹き出す汗も拭かず、烏山議員の呟きを鼻で笑った。 「脅威ですと。 そんな陳腐な小説にでも出そうな台詞で、片付けないで頂きたいものですな。 烏山議員、間もなくですぞ。 間もなくコイツは二度目の大噴火を起こしますぞ。 先の報告書に出した様に、コイツの破壊力は宮崎県内だけでは収まらん。
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