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ここら一帯を草一本生えん荒れ地にして、更にその被害は沖縄、瀬戸内海にまで広がりますぞ」
「ママに買って貰った沖縄の土地も使えなくなりそうだね」
叱られた子供の様にへへっと笑う烏山議員を見て、岩黒博士は開いた口が塞がらなかった。
少し離れた所で、大きな火山岩に腰を下ろし休憩していた、竹中洋山が立ち上がって、生まれつき大きな声を、更にマグマの音に掻き消されない様に振り絞って怒鳴った。
「笑い事じゃないだろう」
烏山議員は情けないほど狼狽して目を泳がせた。
彼は生まれてから、そうそう叱られる目に遭った事がない。
とっさに彼の周りに居たSP達が身構える。
思いがけない所から援護をもらった岩黒博士は、その薄い胸を張り、竹中洋山に負けじと叫ぶ様に訴えた。
「わたしたちは今回政府の編成した調査団には大賛成ですじゃ。
しかし、烏山議員。
なぜ極秘にしなくてはならんのです。
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